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| 目次 . 1.富弘美術館に行く 2.見学者用の案内書より 3.美術館の庭からの景色 |
1.富弘美術館に行く
いくつかのインターネットサーバーで富弘美術館を検索してみた。該当件数は少なく場所と美術館の簡単な紹介程度である。テレビで紹介されたりしている有名な美術館としては残念である。
展示場の受付の女子にインターネットでの紹介の有無を尋ねてみたが,美術館としては何もしていないということであった。
見学者用の案内書にもあるように,中学校でのクラブ活動の指導中に頚椎を損傷し,手足の自由をまったく失った星野富弘さんは,口に筆を加えて詩や絵を描くようになり,その天性の能力が開花し,世界的に認められるようになったものである。
私も,30代のはじめに自宅で倒れて頚椎をいため,手足がまったく動けなくなり,しばらく入院をしたことがある。
幸い,千葉大学医学部での頚椎の手術が成功して何とか普通の生活に戻る事が出来た経験を持っているので,他人事とは思われない。
かって,肢体不自由児の施設で,両手が生まれつきない若者が,努力と訓練の結果,足で印鑑を彫る姿を見学して感動したことがある。
この美術館も人間の能力の奥深さを実感させてくれる。
今回は,近畿日本ツーリストの企画で,わたらせ渓谷鉄道と富弘美術館,足利,大平山等をめぐる日帰りツァーがあったので参加した。
わたらせ渓谷鉄道の大間々(おおまま)駅から神戸(ごうど)駅まで,30分ほど渓谷をめぐる。
神戸から観光バス日の丸交通で富弘美術館につく。美術館は静かな山に囲まれ,庭からは草木湖を見渡すことが出来る。
しかし,美術館の庭に出て草木湖を背にしながら右方の山を見てみよう。すぐ近くの足尾銅山の跡は,日本における公害の原点である。今から100年も前の有毒重金属の垂れ流しによる鉱毒被害のため,いまだに草木の生えない山肌をさらしている(下の写真)。
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足尾銅山については,垂れ流しだけでなく低賃金に反対し待遇改善を要求した労働争議もよく知られている。日露戦争直後の明治40年2月に起こったこの争議では数千の工夫がダイナマイトで本山の建物数箇所を破壊し,石油庫・火薬庫などを爆発させる暴動となった。
渡良瀬川の魚類の大量死から始まった鉱毒被害は,下流の数万ヘクタールの農地を汚染し,1896年9月の未曾有の大洪水によって,鉱毒被害は近隣の栃木,群馬から茨城,埼玉,さらに東京,千葉へと拡大した。
時の議員の田中正造は,農民の先頭に立って公害反対運動を進めていた。
銅山の経営者であった古賀市兵衛と姻戚関係にあった農商務大臣陸奥宗光は,わずかの補償と引き換えに一切の苦情を申し立てないという示談契約を成立させた。
陸奥の元秘書であった内務大臣原敬は,洪水対策のための遊水地化に反対する農民を警官隊により弾圧し,下流の谷中村を滅亡させた。日本の近代化政策のための明治政府による失政の裏面史である。
美術館の室内に入る。すべて撮影禁止である。ルーブル美術館を始め世界でも有名な美術館は,三脚を使用せずフラッシュをたかなければ,写真撮影はOKである。
ところが,日本の美術館は絵葉書や色紙などの売れ行きが減るのを心配するのだろうか写真撮影禁止のところが多い。人間の心に深く訴える詩と絵をテーマとする美術館もやはり金もうけ主義になっているのかと思うと情けない。
星野富弘さんが描いた絵の絵葉書,絵本,単行本などが陳列販売されている売店がある。もちろん,展示室を出たところである。あまりにも沢山あって本の名前を覚えられるものではない。本の題名を記録したかったので,念のために,
「売店で写真を撮りたいのですが。いいですか。」
と聞くと,
「撮影は禁止になっています。」
と受付の女子職員の応答。
美術館で売店の撮影を禁止しているところは珍しい。近頃は,一般的に,融通が利かないだけでなく,面倒なことを覚えようとしない従業員が増えている。
ここでは撮影禁止だが,あそこでは撮影してよいなどと決めておくと,訳が分からなくなってしまうのた゛ろうか。すべてを禁止とすれば,簡単でよいのであろう。
「何か本の名前と出版社を書いたものはありませんか。」
「ちょっとお待ち下さい。」
しばらくして,絵葉書,グリーティングカード,額,書籍などの一覧表を持ってきた。
「もらってもよいですか。」
「どうぞ」
ということで,撮影しなくても済んだ。何でも聞いてみるものである。
そのようなわけで,以下の美術館の紹介の中に室内の写真は一切ない。以下の室内写真,絵葉書は見学者に配布する案内書からすべてコピーしたものである。
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2.見学者用の案内書より
星野富弘氏のプロフィール
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1946年 1970年 1972年 1974年1981年 |
群馬県勢多郡東村神戸に生まれる。 群馬大学卒業。中学校の教師になる。クラブ活動の指導中に頚髄を損傷,手足の自由を失う。 群馬大学病院入院中,口に筆を加えて寺や絵を描き始める。 聖書に出会い洗礼を受ける。 結婚。 以下略 |
場所と利用案内
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室内の様子
ビデオルームでのビデオは60分かかるので,見学時間が一時間ほどの観光バスのツァーでは,ゆっくり見ている暇はありません。
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![]() 室内の見学客 |
いくつかの絵葉書
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| 絵葉書1 | 絵葉書2 | 絵葉書3 |
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| 美術館の庭から見た山々 | 眼前に広がる草花 |
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| 絵の題材ともなっている沢山の草花 | 庭でくつろぐ見学者達 | 美術館の庭(H11.10月) |
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| 美術館から見える草木湖 |
参考
絵はがき・グリーティングカード
グロリア・アーツ(株) 神奈川県川崎市高津区宇奈根731−6
Tel:0120−833−044
絵はがき1〜11集(各466円),
書籍 偕成社 東京都新宿区市ヶ谷砂土原町3−5
Tel:03−3260−3221
鈴の鳴る道,かぎりなくやさしい花々他
立風書房 東京都目黒区上目黒5−5−8
Tel:03−5721−0561
風の旅,愛深き淵より他
いのちのことば社 東京都八王子市大和田町5−25−18
Tel:0426−43−1115
銀色のあしあと
関連URLへのリンク
四季抄・風のたび(詩集)より 富弘美術館の公式ホームページ
1998年7月
豊田 ひろし
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