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リュープリン注射跡の腫れと歩行困難
                                   (02/06/14〜02/07/)

 以下は前立腺がんの治療のためにリュープリン注射を続けた結果,2002年に経験したリュープリン注射によるまれに見る重度の副作用の記録である。リュープリンの注射の後遺症として,その後2004年と2007年に注射跡が化膿した経験を記録してあるので参考にしてほしい。
  参考 2004年の記録。 2007年の記録


 02/02/22に重粒子医科学センター病院から退院した後も,多摩老人医療センターの泌尿器科,高木健太郎先生によるリュープリンの皮下注射を続けているのだが,気になることがあるので記録にとどめることにした。
 退院後のリュープリン注射は月に一回の割合で実施され,以下の日にへその横の腹部に注射をおこなった。
02/02/28
02/03/28
02/04/25
02/05/24
 しかし,3月の注射あとが中に大豆を入れたようにぽっくりとしこりのように固まって皮膚の上に出っ張ってしまった。痛みはなかったが,高木先生に報告したところ,注射する位置が違ったかもしれないのでたいしたことはないだろうということだった。その後,毎月注射を続けたが,やはり,しこりのようなものが残っていた。6月の初めごろに,風呂から出たときの注射あとが真っ赤に腫れているのに気づいたが,普段は痛みもないので,そのうちに直るだろうとそのままにしておいた。しかし,6月14日には写真1のように,脇腹の一部が腫れていた。最初は3月28日の注射で写真2における番号1の部分だけが腫れていたのだが,4月,5月と続けて注射した跡も,番号2,3の部分のように腫れた状態になり,わずかに触っただけでも痛みを感じるようになった(写真2)。
 二日後の6月16日になると,腫れがひどくなり,一部が褐色化し皮膚の一部が膿んできて(写真3),下着にうみが付着した。
写真1(02/06/14撮影) 注射跡の位置

写真2(02/06/14撮影) 注射による3箇所のしこり

写真3(02/06/16[日]),写真2の二日後痛くてさわれない。
06/18[火]にはさらに腫れて化膿したので切開した。

 これは,なぜだろうか。
(1)何回も同じ位置に注射を続けていたためか。
   昨年も,何回か,リュープリンの注射を続けてきたのだが,
  このように腫れたことはなかった。
(2)
そろそろ拒絶反応(体質反応?)がでてきたためか。
  
4回の注射のうち3回も注射の位置が失敗するとは考えられない。
  おそらく,身体がリュープリンを受け付けない状態になっているので
  はないだろうか。注射後,数十日も経ってからばい菌が入ることもな
  いだろう。
   皮膚の表面にポツンと点状の膿をもつ場所が数箇所見える(写真3)。
  16日から17日にかけて,化膿した部分がさらに拡大したので,マキロン
  で消毒して脱脂綿を当てておいた。18(火)に切開してもらった。

 02/06/16(日)は休日だったので,腹部を布で巻いたアイスノンで冷やしながら,二日後の高木健太郎先生の担当曜日,06/18(火)まで待った。腹部の痛みのほかに,足の太ももの内側の部分も痛みを感じるようになった。18日の朝早く泌尿器科に緊急診察の連絡をしたら,すぐきてよいとのことで,早速,でかけたところ,すぐに診察してくれた。二日間の間に腫れがさらに広がり皮膚の表面が膿んでいたのでその場で切開してくれた。抗生物質を5日間処方してくれたので,ひとまず安心した。腫れた原因については,細菌感染かなという程度で,とくに納得できる説明はなかった。ただし,リュープリンの注射については,長く続けていても効かなくなるようなことはないが,もう必要ないだろうということであった。翌々日06/20(木)が,診察の予約日でリュープリン注射をする日であったが,注射するたびに腫れていては困るので,注射を止めてもらうようにお願いした。しかし,今回は,すでに準備がされていたせいか,重粒子医科学センター病院に対する義理立てのせいかもう一度注射をすることになった。いちいち患者の要望どうりに治療していたのでは医者の立場がないということであろう。
 高木先生の意見では,がんが治ったときに,薬が効いたためなのか,重粒子線の照射が効いたためなのかはっきりしないから,照射後のカソディックスの服用は必要ないし,リュープリンの注射もすでに一年近く続けているので,もう必要ないということであった。ただ,重粒子医科学センター病院の担当医の意見は,転移の可能性に対する予防のため,照射後一年はリュープリンの注射を続けたほうがよいということだったので,今まで,そのようにしてきたわけである。
 たとえ,薬を中止して,やがて,PSAの値が増えてくるようなことがあったとしても,そのときに,またリュープリン注射をはじめればよいらしい。また,除睾をすればリュープリンの注射は不要になり,副作用からも開放される。
 6/19(水)の夜8:00頃,突然,腹部の腫れの切開跡がチクーンと痛み出した。医者に行くにも夜ではどこに行ってよいか分からない。思い切って,切開跡の腫れた部分を覆っていた絆創膏を静かにはがしてみると,ガーゼには血と膿みがいっぱいにしみ込んでいた。皮膚に膿はなかったが,患部は腫れあがって中央の直径1mm程度の傷穴から黄色い粘体がはみでていた。自宅のガーゼにマキロンをしみこませて患部を静かに押すと,たくさんの汚れた血液とともに,黄白色のさらっとしたきれいな粘体が,チューブから搾り出したように,細い傷穴からニョロニョロと出てきた。(濃縮したリュープリンではないだろうかと思い,翌日の20日に高木先生に報告したところ,リュープリンではなくて膿ではないかといわれた。)その傷あとをマキロンで消毒し,滅菌ガーゼにマキロンをしみこませて患部に当て絆創膏を張って抑えた。痛みは消えて楽になった。
 念のために,インターネットの「薬品詳細表示」で,(リュープリン注射用3.75「タケダ」)を調べてみると,前立腺がんの場合のリュープリンによる副作用に下記のような投与部位に硬結ができて膿瘍になる例(0.1%未満)が示されている。
 
0.1〜5%未満 0.1%未満
10)投与部位 疼痛,硬結,発赤等の注射部位反応 膿瘍

 まさに,そっくりそのままであるから,リュープリン注射による副作用と考えたほうが,原因不明で細菌が体内に侵入したと考えるよりも合理的ではないだろうか。
 リュープリンは商品名で酢酸リュープロレリンというのが一般名である。市販後の使用成績調査によると,前立腺がんの場合,1998年12月時点での副作用の発現頻度は,10.3%となっているので,10人に1人ぐらいは何らかの副作用があるようだ。上記「酢酸リュープロレイン」の説明の中に,下記のような副作用についての記載がある。
赤くしたのは,私自身が体験して感じている副作用である。

前立腺癌におけるリュープリン注射の副作用
 発現部位等       
    3)〜11)は0.1〜5%未満 ,ただし,*印は0.1%未満

1)肝臓
注3)[5%以上]
LDH上昇 黄疸,AST(GOT),ALT(GPT),γ−GTP,ALPの上昇(
私の場合ZTT,ALPの値が上昇した。
2)内分泌系[5%以上]
ほてり,熱感 頭痛,顔面潮紅,めまい,発汗性欲減退インポテンス女性化乳房睾丸萎縮,会陰部不快感
3)筋・骨格系
関節痛骨疼痛肩・腰・四肢等の疼痛歩行困難(06/20以前は,歩けなくはないが,躓きやすくなった。階段は手すりがないと下りられなかった。06/20日の最後の注射によって,その半月後ついに歩行困難になった。), *筋肉痛,*骨塩量の低下
4)皮膚
皮膚炎(左足裏の発疹が皮膚科でもらった薬を一ヶ月ほどつけたが直らなかった。まだ,そのままである。)頭部発毛
5)泌尿器系
頻尿(日中の一回の畜尿量はここ数ヶ月100cc程度でほとんど増加していない。),血尿,BUNの上昇
6)循環器
心電図異常,心胸比増大
7)血液
貧血,血小板減少
8)消化器
悪心,嘔吐,食欲不振 ,*下痢
9)過敏症
発疹,そう痒
10)投与部位
疼痛,
硬結,発赤等の注射部位反応, *膿瘍
11)その他
浮腫,胸部圧迫感,悪寒,
倦怠感,口唇・四肢のしびれ体重増加知覚異常難聴,耳鳴,発熱,総コレステロール上昇,トリグリセライド上昇,尿酸上昇,高カリウム血症,血糖値上昇, *脱力感

注3)観察を十分に行うこと。
( 0205 )
06/20(木)のリュープリン注射以後の副作用について

02/06/28
 6/27日の夜に腫れた部分がまた痛み出した。多摩老人医療センターは6/28(金)から来週の月曜まで診察がない。そこで,6/28の朝自宅近くの新山の手病院の外科に予約したところ,すぐ来てよいということで,院長の長田(オサダ)先生に診てもらった。長田先生は,私の旧制東京高校のときの同級生・関口守正元東大医学部教授の後輩で,以前は東大医科学研究所の病院に一緒に勤務していたこともある。関口博士からは優秀な先生だから近くの病院にいるのなら何かあったら見てもらうようにいわれていた。今まで外科の先生に世話になることはあまりなかったが,ちょうどよい機会であった。 
 長田先生は,リュープリン注射の副作用による腫れのことをよく知っていて,それは,リュープリン注射液のあぶらのためで,体内に吸収されないことがあり,先日傷跡から出てきた黄白色の粘体はあぶら(懸濁用液)が固まったものだと説明してくれた。その道の専門医なみに薬の副作用に詳しいのには驚いた。
 その場で新たに腫れた部分を切開してくれ,明日は土曜で休診ですが,ガーゼを取り替えるぐらいはできるので,午前中に来るように指示され,当日,処置室で担当医の処置をうけた。

 当日夜,連絡をとった関口博士からの電話によると,同じような位置に毎月注射をしていると,周辺の組織がリュープリンを吸収しにくくなるので,リュープリンの注射位置を毎月替えないといけないといわれた。担当医は,私のような腫れの副作用に出会ったのは,おそらく初めてだったのではなかろうか。月1回の注射をせいぜい1cmと離れていない位置に,4ヶ月も続けて打ったということは,残念なことに,腫れの副作用についての認識がなかったものと思われる。今後は,カルテにL(左)かR(右)の記号を記録しておく程度の配慮がほしいものである。
周辺の点在する赤みは絆創膏のかぶれ

02/07/03
 リュープリン注射から半月後の07/03(水)現在の様子を報告する。
 06/20の注射は,腹部の右側の傷口を絆創膏でふさいでいたこともあって,今回は腹部の左側に注射をした。さいわい,同じ場所でなかったせいか,今回は硬結もなく,腫れずにすんだが,一週間後には,両脚のももの付け根からふくらはぎにわたって,鈍痛がでてきて,座ったまま少しでも足を内側に向けて動かすと激痛が走るようになった。横に寝ていてから立ち上がるときに,足の位置に注意しないと痛みのため立てずに倒れてしまう。両脚の力だけでは立ち上がれない。手で何かにつかまってから立ち上る。しかし,いったん立ち上がれば,ゆっくりと室内を普通に歩くことはできる。
 
先月の6月半ば頃に腹部の腫れが生じるまでは,リュープリンの副作用についてはほとんど無関心であった。しかし,副作用というのは,ある時期に突然やってくるようだ。07/03(水)の午後,久しぶりに雨も上がったので,往復30分程度の公園まで散歩に出かけた。足早には歩けないので,ゆっくりと歩いていたのだが,歩くために前方に出す脚には痛みがないが,後方で支えている脚のももから下の内側の部分に激痛が走る。06/20以前の腹部が腫れてきたころは右脚だけだったのが,この日は左脚も全く同様に痛む。歩く元気もなくなり,このままでは,かえって脚が悪くなるのではないかと心配して途中から引き返して帰った。
 副作用の「3)筋・骨格系
」に歩行困難というのがあるが,さらに,リュープリン注射を続けていって,このような症状がつづけば,歩行困難になるのは時間の問題であろう(07/03)。

02/07/07
 06/20に最後のリュープリン注射をした日は,行きはタクシーを利用したが,左脚の痛みは全くなかったので,病院から自宅まで約40 分の道のりを歩いて帰った。それから半月以上たった07/07(日)現在,右脚のももの付け根から下の痛み(筋肉痛)はいくらか楽になったが,左脚のももの付け根から下の痛み(筋肉痛)はだんだんひどくなり,とうとう半歩づつ歩きながら左脚を引きずるようにしないと歩けなくなった。これは,今回,腹部の左側に注射したことが原因ではないのか。室内はなんとか歩けるが,外に出歩く元気はなくなった。ともかく,07/07の身体の状態は今までにない最悪の状態である。左脚の臀部から太ももにかけての激痛のため,椅子にも30分以上は座れないので,後は横になり,ひたすら,時間が経過するのを待つだけである(07/07)。
 他の副作用は,副作用一覧の中で,
赤文字で示してある。たとえば,発汗については,涼しい日でも,15分も散歩をすると上半身が汗でびしょびしょになる。肩こりや首筋,腰周りの筋肉痛はかなりひどい。腕を肩の周りに回したり,脚をももの付け根の周りに回そうとすると激痛が走る。手足のしびれは,このところ数ヶ月の間に,いっそうひどくなっている。握る力が極端に弱くなってきて,電車に乗ったときにつり革を握っていると間もなく(5−10分で)手が痛くなり,しばらくは手の指が握ったままの状態になってしまい,少し待たないとゆびが開けない。右指の感覚は完全に麻痺していてボタン一つはめるのに何回もやり直し,パチンコなみの確率に頼っている持病の頚椎後縦靭帯骨化症による悪影響がリュープリンの注射によって倍加してきている感じである。リュープリン注射の体内吸収はきわめてゆっくり経過するので注射後一ヶ月は続く。したがって,注射を止めてから少なくとも一ヶ月以上を経過した後の体調の変化を見ないと,左脚の痛みがリュープリン注射によるものだと断定はできないが,この時期にあわせて頚椎後縦靭帯骨化症による筋肉痛の後遺症が急にひどくなったとは考えにくい。むしろ,このような後遺症がある場合に,リュープリンが筋肉痛などの後遺症をいっそう悪化させる副作用があると考えてよいのではないか。
 前から続いている左骨盤内(?)の鈍痛は6月,7月と急にひどくなった。椅子に一時間も腰掛けていると左臀部が痛み出すので,先日は,巨人・阪神戦のテレビを見ながら,途中,椅子から立ち上がり,壁にもたれながら観戦した。副作用の「3)筋・骨格系」の中にある「骨疼痛」はこれに当たるのだろうか。痛む場所が骨か筋肉か現在のところはっきりしないので,赤文字では示していない(左臀部皮膚の表面から強く押しても痛むところは全くないが,おそらく,もっと奥の方の筋肉痛であろう)。

02/07/13
 07/12(金)に近くの病院に循環器の薬をもらいに歩いていってきたが,普段ならば6分程度でいけるのが,半歩ずつしか歩けないためか13分もかかった。
 椅子に腰掛けていると左脚に激痛が走るのは,今までも何回も触れたことのある左の骨盤付近の筋肉である。今までは鈍痛ですんでいたのが,おそらく,リュープリンの副作用のため,筋肉の痛んでいた場所がいっそうの痛みを引き起こしていると考えられる。しかし,痛みの峠は越してきたような気がする。リュープリンの副作用だとすれば,注射の有効期間の消える来週末にはさらによくなるのではないか(02/07/13)。

02/07/21
 02/07/21現在の報告である。06/20に最後のリープリン注射を左脇腹にしてから,ちょうど一ヶ月を経過した。4〜5日前から少しずつ左足の筋肉痛は楽になってきたが,07/21現在ではまだ多少の痛みはあるもののゆっくりなら普通に歩けるようになった。やはり,リュープリンの副作用と考えたほうが説明がつく(02/07/21)。
 これらの副作用は,すでに,H13/07からH14/06までの一年間続けてきたリュープリンの副作用が徐々に進んできてある時期に突然強く現れたた結果と考えられないだろうか。

02/07/31
 今日で,七月も終わりである。2〜3日前から,毎日,30分ほどの近くの散歩を始めた。昨日は,裏山を30分ほど歩いた。やつと,ほとんど痛みを感じないで歩くことができた。最後のリュープリン注射から40日後にやっと副作用から開放された。02/07/20以後,泌尿器科の担当医(高木先生)に会うのは,次回の02/08/29なので,その副作用について報告しなければならないが,ひょっとすると,今までの患者の中には同じような副作用のものがいなかったとすれば,貴重な報告になるかもしれない。
参考:(リュープリンと懸濁用液)についての医薬品情報より
リュープリン(Lupron)
 Lupron(TAP-144)は酵素分解に抵抗するとはいえペプチドであることには変わりなく、長期間にわたり毎日投与する必要がある。そこで当社の製剤研究所でこのペプチドのマイクロカプセル型徐放性注射剤を検討し、生体内分解性の乳酸とグリコール酸の共重合物(PLGA)でW/Oエマルジョンを作り、さらにポリビニルアルコール(PVA)でW/O/Wエマルジョンとすることで、1ヵ月間にわたり均一にTAP-144を放出し、かつ平均粒子径が20μmで、皮下注射が可能な製剤が完成した。この完成によって、Lupronは前立腺癌の治療薬のみならず、1998年11月現在、70ヶ国あまりの国々で発売されており、本邦においては前立腺癌、子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳癌、中枢性思春期早発症の効能が取得されている。(武田薬品)
製品概要
 バイアル品には懸濁用液2mL(1mLで懸濁)が添付されており,キット品は粉末部本体と液体部(懸濁用液1mL)が一体となっている。懸濁用液1mLには,注射用水及び添加物としてD−マンニトール50mg,カルメロースナトリウム5mg,ポリソルベート80mgを含有する。本剤が添付の懸濁用液1mLで懸濁された場合,pH6.0〜7.5,浸透圧比(生理食塩液に対する比)は約1である。
 (酢酸リュープロレリンの説明より)

参考2(JEMA「日本子宮内膜症協会」)の報告
(01/11/01)より
「本日11月1日の新聞報道で、
リュープリンで1名が死亡、黄疸や糖尿病の副作用が出た人が約60名となり、厚生労働省が安全性情報を出したと知りました。」
(01/11/05)より
「11月2日、リュープリンの副作用として
糖尿病状態が生まれるしくについて、薬の著名な専門家から貴重な情報を得ました。・・・
 まず、リュープリンの働き方から説明します。
リュープリンは、脳の視床下部が真下にある脳下垂体に送るGnRH(ゴナドトロピン・リリーシング・ホルモン)という命令ホルモンの偽者です。脳下垂体は、リュープリンを視床下部の命令だと勘違いして働き続け、卵巣や睾丸に向って、FSHやLHという命令ホルモンをどんどん出すのです。これが、最初の1〜2ヶ月に起こる
フレアーアップ現象につながります(症状や病状の悪化、チョコレートのう胞の破裂や粘膜下筋腫の大量出血の危険あり)。
 ところが、リュープリンが脳下垂体を休むことなく刺激し続けるため、脳下垂体にあるGnRH(鍵)を受けとめるレセプター(鍵穴)がほとんど消費しつくされ、脳下垂体はFSHやLHの放出をぐ〜〜んと下げます。ここからが、期待される作用の始りです。
FSHが少ないと、卵巣での卵胞発育はわずかになります。発育中の元気な卵胞が分泌するのがエストロゲンですから、これではエストロゲン分泌もわずかになります。また、LHが卵巣にわずかしか来ないと、排卵は起こりません。排卵後の抜け穴が黄体になって分泌されるのがプロゲステロンと高温期のエストロゲンですから、これではプロゲステロン分泌は起こりません。こうして、エストロゲン低下状態が維持されます(リュープリンは去勢状態とまで言われる)。
 この状態を4〜6か月も続けるので、チョコに溜まった血液は新たに増えることはほとんどなく、むしろ水分が少しずつ自然吸収されていき、血球などは残るのでドロッとなりながらも、サイズが多少小さくなるのです。腹腔内に散らばっている内膜症の基本形である腹膜病変(mm規模、チョコの原因病巣も同じようなもの)たちも、多少静かになります。
 しかし、完全に消えてしまう病巣はごく初期のもの(1期レベルのもの)だけで、ほぼみんな沈静化した状態になっているだけです。だから、結局は使用後半年程度の再燃(手術で病巣をほぼ取り去ったのに再び発生することを再発という)が必発となるわけです。」
(02/02/02)より
 「・・・11月16日に厚生労働省に出向き、医薬局安全対策課の担当官と懇談しました。主旨は、内膜症の薬物治療の現状と問題点を、頭にインプットしてもらうことです(資料もたんまり渡してきた)。
なかでもリュープリンはその異常な高額費用に対して、慢性疾患である内膜症に対する効果がまったく見合わないことから、日本の医療費問題を底上げし、使用者には
健康被害を負わせる可能性(骨や血管の健康だけでなく脳の機能の可能性も)まであるタイプの薬であることを、強調しました。
 リュープリン3.75を約2年間使用したとはいえ、
死亡者(前立腺がん患者)も出ました。・・・」


 


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