共済立川病院肛門科での診察体験記録
| 肛門からの出血について 2003/10/27 肛門からの出血は,今までにも硬い便を出すために息張るときにたまにあり,簡単な消毒をすることで直っていた。もともと,切れ痔らしいものがあり座薬を使うと2-3日で治ることが多かった。 しかし,今月の12,13,14日(2003年10月)と続いた出血はかなりの量で便器が真っ赤になった。大腸がんの検査は大腸に空気を入れて内視鏡で診る検査を5-6年前にしたことがあるが,とくに異常はなかった。多分,大腸がんの心配はなく,切れ痔がひどくなったのかもしれないと思っていたが,肛門付近を指で押すと軽い痛みがある。 早速,16日に多摩老人医療センター泌尿器科の新井学医師に相談したところ,もしかしたら,前立腺がん治療のための重粒子線照射による遅発性後遺症があるかもしれないということなので,数少ない肛門科の専門医,共済立川病院(国家公務員共済組合連合会)の守谷孝夫医師に紹介状を書いてもらった。共済立川病院に連絡して,10月24日の午後に予約が取れたので,守谷医師に診察してもらった。 その結果は,肛門内の触診による痛みもわずかで,切れ痔の裂傷は見当たらず,肛門のすぐ奥3.5cmの位置に皮膚が赤くただれているところが三箇所ほどあるといわれた。早速,処置しておこうということで,肛門内の皮膚表面の温熱処理を行った。肛門の外側付近を押すときの痛みについては調べてくれず,何の説明もなかった。 そのときの守谷医師とのやりとりを参考のために記録しておく。 ************************************************************************************ 守谷医師は藤田学園名古屋保健衛生大学助教授から共済立川病院の元外科部長として勤務した慶応大学外科系の直腸肛門科医で,英国留学で手術の腕を磨いた数少ない肛門科の権威者といわれた老医である。次のような病状報告を印刷して用意し守谷医師に提出した。
守谷医師は,多摩老人医療センターからの紹介状を読んで,まず,紹介状に対する批判と不満からはじまった。 「この紹介状には,"誠に唐突ですが・・・"と言う文面で始まって,"重粒子線治療の影響もあるかもしれないので,よろしくご検討ください"とあるが,わたしは,重粒子線治療についてはなにも知らないよ。なんの資料もないのに検討の仕様がない。どういうことなんだい。重粒子線治療についての詳しい説明もないじゃないか。」 「(多摩老人医療センター泌尿器科の)担当医も替わって重粒子線治療について詳しくないこともあり,(重粒子線治療をしている)放医研の報告も検査結果の報告程度だったと思いますが。」 「副作用についての対処の仕方についての放医研からの報告はないのかい。」 「それはないと思います。」 「重粒子線治療の治療と言う言葉がある以上,副作用の処置の仕方の説明がないのはおかしい。ないとすれば,それは,それを頼まなかった君が悪いのだ。」 どんな副作用が起きるかは千差万別であるから,かかりつけの医者に見てもらって,副作用の性格がはっきりして,その報告を受けてからでなければ放医研でも対処の仕方がないのではないかと思ったが,そこは,患者の弱みだ。なるべく,逆らわないようにと考えながら, 「はあ,そうですか。それでは,今度,放医研に行ったときに肛門に関する副作用の資料をもらってきます。 「そうしてくれ。放医研では副作用についての治療はしないのかい。」 「放医研では照射はしますが,副作用についての治療はその種類によっては外部の医者にかかることになっています。」 「副作用の治療について責任を持たないのはおかしい。なぜ,重粒子線治療を選んだのかい。医者からの紹介かい。」 放医研は総合病院ではないので,内科とか,外科とか,その他の専門的な治療科はない。普通の病院で,内科や外科などから放射線科に放射線治療を依頼しても,そのときの副作用の治療は放射線科ではなく,もとの内科や外科その他の科で行うのが当たり前で,放射線科で副作用を直すことはない。放医研の病院での重粒子線治療も,原則的にはこれと同様だが,投薬だけの軽い症状の場合には調薬もしてくれるし,かかる病院がないときには治療先の病院を紹介してくれる。しかし,一応病院という名称がついているので,一般の医師には,総合病院とは違うという認識がないのは仕方がないのだろうか。 「がんのエックス線による放射線治療は副作用が大きいと言うことを聞いたので,インターネットで調べて,より副作用が小さい重粒子線治療を選びました。そのときは,まだ,臨床試験のときでしたが。」 「臨床試験だって,わたしは,君の重粒子線治療の選択が間違っていたと思う。」 かなり,断定的である。先ほどは重粒子線治療について何も知らないといっていたばかりなのに,何を根拠に断定しているのだろうか。科学者としての判断とは程遠い断定である。 「臨床試験とはいっても.おととしの1月から2月にかけての治療ですから,ほとんど治療法が完成されていたので心配はなかったと思います。今年の10月に厚生省の認可がおりていますが,私の場合,当時の資料で詳しく調べた結果,重粒子線治療を選びましたが,そ治療の結果が良かったので間違っていたとは思いません。前立腺がんのPSAの値は発見されたときは72でしたが,その後現在まで0.018と経過は順調です。前立腺患者の重粒子線照射後の五年後の生存率は90数%ですから,かなりよい成績を示していると思いますが。」 どうも,自分の意見に逆らった返事が,詳しすぎて気に入らなかったらしい。 「君は,重粒子線にかぶれているよ。君は,肛門については何もわかっていない。」 重粒子線の知識と肛門の知識とが何の関係があるのだろうか。肛門については何もわかっていないのは当たり前だ。ケツの穴の勉強なんか痔にでもならなければ誰がするものか。私の前に診察してもらった女性も,肛門以外の診察でもされたのだろうか。「そんなに,恨めしそうな顔でみるな。」とか,痔とは関係ないと思われる質問,「子供は何人産んだのか。」とか,さんざんにからかわれたり,いやみを言われたりして帰って言ったのを診察室の前で一部始終聞いていたが,患者にいやみをいうことが趣味らしい。 (かぶれている)と言う意味も考えてみると複雑だ。オーム真理教の宗教にかぶれている,特別な思想にかぶれているなどというように,常識的にいえば,自分を含めて多くの人が一応正しいと思っている考え方と比べて,相手の考え方が明らかに間違っていると決め付けるときに用いる言葉である。(戦時中に自由思想を唱えた人たちは,一般市民から,あの人はアカにかぶれているという非難をうけていたことがある。何の知識も判断力もない人間が,他人を断定的に非難して優越感を感じる言葉なので,“かぶれる”とはいやな思い出のある言葉だ。)重粒子線について何も知らないといった医師が,このような,独断的で断定的な言葉を使うのは,手術の名医とされた過去の栄光が頭にあり,患者を卑下しているのだろうか。ふつうは,名医であるほど謙虚なものである。しかし,こちらは,あくまでも患者だ。直してもらえばよいだけだから,触らぬ医者にたたりなしと考えて, 「肛門については私の知識はもちろん0です。よろしくお願いします。ありがとうございました。」 と,苦笑いを作り笑いに替えて,御礼の言葉を述べ,肛門に注入する28日分の軟膏(メーカー:マルホ;強力ポステリザン軟膏[ステロイド剤含有])の処方箋をもらって病院をあとにした。なんとなく,ストレスのたまりそうな後味の悪い医者に出会ったものだ。この病院の外科には肛門科は守谷医師だけである。家からそう遠くないところに,他の病院の肛門科で,もっと,人当たりのよい医者はいないものだろうかと考えながら帰途に着いた。 その後,次に述べる副作用が起こり,一ヵ月後の11/28の再診はキャンセルした。 *************************続編**************************** 10月30日の夜に排便の際の異変がおこった。排便がありそうな気がしたのでトイレに行って,排便後に紙で吹くと血がついてきた。息張ると血が肛門の出口のそばからいくらでも出てくる。さらに息張ると,今度はねっとりとした感じがしたので紙でふき取ってみると,化膿しかけた血の塊である。これが,肛門付近を押したときの痛みの原因だったのか。ウォッシュレットを使いながら,血が止まるまで出血させてから,そのあと消毒した。翌日の夕方にも,化膿しかけた血の塊がわずかではあるが排便後のティッシュについていた。 内部に入った血の塊が外に排出されたためだろうか,それまで,寝ていて起きるときに,左足に力が入らず,何かにつかまるか,両手をついてから起き上がるかしていたのが,なんと,驚くことに,翌日には何にもつかまらずに,両足だけで起き上がって立てるようになった。また,外出時に駅の階段を降りるのに手すりにつかまらないと左足がもつれて危なかったのが,つかまらずに楽に降りられるようになった。 しかし,まだ,肛門周辺の痛みがそのまま残っており,ウォッシュレットの洗浄圧力が高いと,水が切れ痔にしみて激しい痛みが走る。 守谷医師に診察したもらったときにも,肛門付近から血が出ることと,肛門近くの皮膚を押すと痛みがあることを文書(病状報告)だけでなく,口頭でも説明したのだが,たまたま,そのときに肛門付近の傷がふさがっていたためか, 「切れ痔や痔瘻はありませんか。」 ときくと, 「切れてはいない。」 と答えた。出血した傷口はそのときは塞がっていたのだろう。肛門内の触診では,とくに,内部のひどい痛みはなかったので,痔瘻ではないと判断したのかもしれない。肛門の入り口付近を押すときの痛みについては,何も調べてくれなかった。肛門内の温熱処理のあと,隣の問診室に来るように告げられ,診察は終わってしまった。 問診の際に,今質問された事柄 (例えば,いつ重粒子線を照射したのかなど)を一分も立たないのに,また同じことを質問をされたので,もしかしたら,記憶力が減退していて,肝心の肛門入り口付近痛みの診察を忘れたのかもしれない。 軟膏の座薬を約二週間続けた(03/10/24から 11/06まで)が,肛門の奥のただれは奥からさらに肛門入り口まで広がって赤くなり,指で触るとかなり熱を持っていた。 立川病院で行った「肛門内の皮膚表面の温熱処理」が果たして有効だったのかどうかも疑問である。強力ポステリザン軟膏の使用後も肛門入り口付近の切れ痔の痛みは何倍もひどくなり,ウォッシュレットの洗浄で水が当たると,その場所が切れるように痛む。かえって,切れ痔やただれを助長したことはなかったのだろうか。(03/11/06現在)。 参考のためにインターネットの「お薬110番」で,強力ポステリザン軟膏の副作用を調べてみた。すると, 気を付けてほしい副作用として, 肛門周囲に感染症があると悪化させることがあるので、使用することはできません。 ・皮膚の刺激感、かゆみなどがおきることがありますが、程度が強いようなら 使用を中止して下さい。 ・ステロイド剤が入っているので、小児では、長期・大量に使用することはでき ません。 また, 局所に結核性、化膿性感染症又はウイルス性疾患のある患者 [本剤に含まれるヒドロコルチゾンは結核性、化膿性感染症又は ウイルス性疾患を悪化させるおそれがある。] さらに, おおむね1週間を目安にし、その後の継続は効果と副作用を考慮 しながら慎重に決められます。 安易な長期使用は控えたほうがよいでしょう。 とも注意があった。(参考1 参考2 参考3) 肛門科の医者が何の注意もしてくれなかった事柄であった。 切れ痔(リンク),肛門内部のただれを直す薬を2週間続けて付けながら,なんの効用もなく,とくに切れ痔や肛門入り口の皮膚のただれがひどくなるというのは,感染症に対する副作用があったと考えてもよいだろう。鏡で見たところ,肛門入り口の前方に長さ約1cm,後方に約2cmの切れ込み(切れ痔)が真っ白にみえる。ここに,ウオッシュレットの水がぶつかると,水が滲みて激痛が走ることが分かった。 参考 肛門科のホームページ(ドクトル山田)を参考にしたところ, 《患部が赤く化膿していて、熱があるような場合は「副腎皮質ステロイド」含有坐薬(軟膏)を使ってはいけません。》 という注意書きが示されていた。 肛門内部のただれには副腎皮質ホルモン(ステロイド)を含む 強力ポステリザン軟膏 の使用は避けるべきだったのではないかと思われる。 座薬強力ポステリザン軟膏は,2週間で使用を中止した。切れ痔に対しては,排便後に滲みない消毒液(マキロン)を脱脂綿につけて消毒してから,たまたま,皮膚科で処方してもらっていた影響の軽いロコイド軟膏を少量患部に塗ることにした。6日から8日にかけて,傷口は少しは良くなったが,不摂生にも8日の日に,近くの場所に出かけるのに,往復20分ほど自転車に乗ってしまった。これが原因で,切れ痔を再び悪化させてしまった。 切れ痔の痛みが一週間ほど続いて椅子に座ることもできなかったので,14日に近所の皮膚科に行ったら,副腎皮質ホルモン剤の軟膏グリメサゾンを処方してくれた。マキロンによる消毒は中止して,この軟膏だけを付けること一週間ほどで,切れ痔の傷口の痛みはいくらか改善したが,軟膏のチューブ1本がなくなった段階で,まだ,傷口は塞がらずウォッシュレットの水がしみる痛みが続いた。 ドクトル山田のホームページを見たところ,急性裂肛や慢性裂肛に対しては非ステロイド系の軟膏が良い(ステロイド含有軟膏」は「裂肛の創傷治癒」をかえって阻害する恐れがあります)と指摘されていたので,非ステロイド系のボラギノールMの座剤と軟膏を近所の薬局で11/27に購入し,これを使用したところ,なんと,わずかに3日間で傷口はふさがり,ウォッシュレットの水もしみなくなり,ほとんど完治してしまった。 後から考えてみると,肛門科で処方されたステロイド系の座薬も肛門内部のただれを助長させてしまったし,皮膚科で処方された軟膏も直りが遅かったということもあり,どちらも薬の処方が適切でなかったのかもしれない。ここに,ドクトル山田先生に感謝する次第である。 |