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4.放射線医学総合研究所(放医研):
 重粒子医科学センター病院での治療とは?

 
リンク(インターネットに接続必要)
  放医研への紹介
     放射線医学総合研究所のホームページ
     重粒子医科学センターのホームページ
     いろいろな種類のがんの重粒子線治療成績報告
     各種のがん治療について(放医研ニュースより)
     前立腺がんの診断と治療(放医研ニュースより)
  重粒子線治療の紹介    
     日本における粒子線施設の計画(朝日07/12/11朝刊)
     重粒子線治療の概略

      兵庫県立・粒子線医療センター

 折井博士から連絡があり,現在の前立腺がんの状態に対して,放射線を照射する必要性があるかどうか相談したほうがよいということで,東京都立駒込病院:放射線科の唐沢克之先生を紹介された。同病院の予約を取り10月31日(H13)にMRIの写真を持参して指示を受けた。その結果は,高分化癌の場合でも,ホルモン治療の段階では,癌が抵抗力を持ってきたときにホルモン剤が効かなくなり,骨への転移を起こすこともあるので,絶対に放射線治療が必要であるとの指示を受けた。
 現在の放射線治療は,エックス線の癌組織への集中放射が中心であるが,この場合は癌の周辺の組織の健康な組織の破壊を必ず伴うということである。折井博士によると,周辺組織にダメージをほとんど与えずに放射線治療を行う技術は,日本ではまだ未熟で(先端技術を駆使している)アメリカに到底及ばないという。
 私は理論物理学を専攻し原子核物理学の初歩をかじったこともあって,重粒子線の治療には興味があると折井博士に話したところ,まだ,臨床試験段階で完全な治療法ではないが,エックス線の放射線治療よりは良いかも知れないということなので,唐沢先生を通して,放射線医学総合研究所の重粒子医科学センターの森田新六先生宛ての紹介状を書いてもらった。
 重粒子線治療を受けるためには,治療そのものが研究段階にあるため,いろいろな資料を整えた上で,現段階で重粒子線治療が有効かどうかを判断する倫理審査がある。
 
 重粒子医科学センター病院の入り口と受付の写真
放医研の奥にある病院正面 ホテルのロピーのような受付と待合室

 わたしは,エックス線の放射線治療による正常組織への有害作用を減らすための重粒子線の医学的な研究実験には賛成である。過去のいくつかの少ない失敗例を克服しながら研究を進めている同センターの研究姿勢の今後に大いに期待を寄せている。
 同センターに治療を依頼するには,病院からの紹介状,CT,骨シンチ,MRIなどのフィルムのほか,生検した癌組織のプレパラートなどがあれば誰でも診療が受けられる。私は運よくこれらの資料を翌日一日で準備できたので,翌々日の11月2日に重粒子医科学センターを訪れることができた。病院からの紹介状がなければ受け付けられない。森田先生からは,重粒子線の治療はホルモン療法と平行して行い,ホルモン剤服用後2ヶ月から6ヶ月以内に行う必要があり,私の場合は,現在が服用後3ヶ月近いので,治療には適している。しかし,現在,臨床試験を受ける前立腺患者が非常に多いので,今後の治療についての指示は,来月来院の際に行うと説明があった。それまでは,現在都多摩老人医療センターで処方してもらっているリュープリンによるホルモン療法を続けていれば,癌が再燃することはないといわれた。

放医研・重粒子医科学センターの簡単な紹介
 
 放医研は,科学技術庁直轄の国立試験研究機関として1957年に創立され,2001年1月6日より文部科学省所属となり,省庁再編によって4月1日より特定独立行政法人となっている(理事長 佐々木 康人氏)。
 放医研では,放射線の利用と応用,放射線の安全対策などの総合的な研究が行われている。その中の一つに重粒子医科学センターがある。このセンターの中には,加速器物理工学部,医学物理部,画像医学部などに加えて,重粒子医科学センター病院がある。この病院は,平成九年三月に開設され放射線治療のみを行う病院としては日本唯一のものである。
 重粒子医科学センターでは,HIMAC(Heavy Ion Medical Accelarator in Chiba)と呼ばれる治療用施設がある。この施設の中には,重粒子線(ここではヘリウム原子より重い粒子を指す。現在のところ炭素イオンを利用している。)を加速する線形加速器1台,シンクロトロン(直径約40m)2台が含まれている。
HIMACの説明へ
 2台のシンクロトロンから出てくる重粒子線は,患者の癌組織に当てる役割がそれぞれ違っていて,一方の重粒子線は上方から,もう一つは水平方向から当てられ,これらの重粒子線の束の交点が癌組織にくるようにすることもできる。重粒子線のエネルギーは,丁度癌の位置で停止するように調節されるので,放射線を当てた癌の後ろの健康な組織を破壊しないように工夫される。重粒子イオンの速度は光の速さ(30万キロメートル毎秒,300,000,000m/s)の6〜8割程度である。
 次の図を見て分かるように,体内での重粒子線の線量分布は体内に深くなるほど増加し,ある一定の深さで止まるように調整ができる(図1)。このため,癌組織に重粒子線を当てた場合,癌組織の前方の健康な組織に当たる相対線量はX線の場合より2〜3割少なく,癌組織の後方の健康な組織に与える相対線量はほんのわずかなのでダメージがほとんどないことが分かる(図2)。
図1(広報室の小冊子より)
図2(広報室の小冊子より)ボーラスとは患部に
当てる重粒子線の強さを綿密に調整する物体
 現在の研究過程では,前立腺がんの場合,癌組織周辺にある直腸や尿道の耐容線量は,66GyE/20回/5週である(.GyEは実効線量Effective Doseの単位。実効線量とは,吸収線量[Gy]に放射線の種類により異なる放射線荷重係数と生体の各組織・臓器により異なる組織荷重係数を乗じた単位)。重粒子線の抗腫瘍効果は現在のところ,かなり良好である。
    

     1.前立腺がんの発見までの経過・男性性器の説明図
    2.前立腺がんのステージの告知・骨シンチグラフィやCTの写真
     3.都多摩老人医療センターでの治療の始まり.
  
  5.重粒子医科学センター病院での治療準備
     6.重粒子線治療の体験報告
     7.重粒子線治療終了後の経過 
    
8. 重粒子線照射後約2年以降の経過(2004/02〜)