3.都多摩老人医療センターでの治療
| 公立昭和病院では,生検の結果,骨シンチグラフィ,CTの各写真からの判断の結果 (1)ステージCでは手術はしない。, (2)抗男性ホルモン剤を飲み続けて2カ月後にがんが 小さくなったらてから放射線治療を始める。 (3)現在はMRIによる撮影はしない。 という方針が決められた。 8月下旬に,加藤先生から折井博士のところに紹介者に対する報告がとどいて,転移がないのでMRI撮影はしないということであった。折井博士によると,骨シンチグラフィというのはあまり当てにならず,CTだけでは転移の詳細はわからないから,MRI撮影をする必要があるという。それにしても,CTの写真を見たいものだというので,私がホームページ用にコピーしてもらった写真(コピー代は骨シンチグラフィとCTを含めた5枚で3000円)を見てもらったところ,次のCTの写真1について,「精嚢が異常で浸潤の疑いがある。昭和病院ではMRI撮影をしないというのでは,詳細を知るために別の病院でMRI撮影をしてもらったほうがよい」と指摘された。 がんの浸潤の疑いのある精嚢部分のCT写真1(←クリック) 最初の診察 第一日(2001/09/06) そこで,自転車で15分ほどの近所にある都多摩老人医療センター(平成17年4月1日付で財団法人東京都保健医療公社 として多摩北部医療センターと改称)の泌尿器科に,9月6日の予約を取り,CTのコピーを持参してMRIの撮影を頼んでみることにした。折井博士からはCT写真の診断に基づいた診療情報提供書を送ってもらった。 9月6日に多摩老人医療センターの高木健太郎先生に最初に診察してもらった結果は,ステージCからD1だろうということである。CTから判断すると精嚢から膀胱にも広がっている様子という。治療の方針には変化はないが,採血をしたあと,来週の12日にMRIを撮影してくれることになった。肛門からの触診の結果は癌が縮小していて,ほとんどわからないという。発見以来,わずかに一ヶ月程度のホルモン治療によって驚くほどがんが縮小していたのがわかった。ただし,ホルモン療法は癌を小さく閉じ込めるだけで,根治する働きをしないだけでなく,癌に抵抗力がついて,ホルモン療法が効かなくなり,いずれ再燃という事態がやってくるという。この日は採血をして帰った。 次の前立腺のCT写真2(←クリック) で,前立腺の右側の画像の乱れは何を示すのだろうか。ステージD1の根拠としては,骨盤やリンパ節への転移が見られるということであるが,次の写真の前立腺上方の骨のゆがみ,および右方の画像の乱れは何だろうか。特に説明はなかったが,左側の骨盤内部の痛みはこの辺の影響なのだろうか。素人判断は危険であるから,MRIの撮影によってさらにはっきりする事であろう。 9月14日に昭和病院で採血の後,第二回のリュープリンの皮下注射を行った。このとき,ステージCの判断の根拠を質問したのに対して,加藤先生は折井博士と同じ写真1と直腸指診によるとの説明があった。写真2についてはこれだけでは確定的なことはいえないという答えであった。その際,もし,自宅に近い多摩老人医療センターで放射線治療が可能ならば紹介状を書きましょうといってくれた。 9/14の昭和病院での採血の結果は,10月16日(第三回のリュープリンの皮下注射を行う)に加藤先生より知らされた。毎日一回飲んでいるカソデックスの副作用として肝機能の低下があるが,現在,肝機能は正常であり心配ないということであった。驚いたことに9/14の採血によるPSA値が0.7に下がったということである。8/3以来カソデテックスを飲み続けて9/14までの約40数日の間にPSAの値が72から0.7に下がったというのである。つまり,PSAの値は100分の1に低下したわけである。 はたして,PSAの値の低下がカソディックスだけの効果か,免疫力を高めるに服用しているアガリクスや舞茸の効果も加わったものかどうかは全くわからない。このPSA値0.7は普通の健康な人と同じ程度の値であるが,がん患者の場合は,現在は薬の作用によって癌が縮小して活動しなくなっているだけで,消滅したわけではない。やがて,癌がホルモン剤に対する抵抗力を持つようになりと,薬が効かなくなり癌が再燃し,そのときは治療法がなくなるらしい。だから,癌が縮小したら早いうちに放射線療法をすることが必要だという。癌の度合いによっては完治することも可能だという。しかし,放射線治療によって周囲の正常細胞が打撃を受け,その快復に苦労することも事実らしいが,私の場合は,どの程度になるのだろうか。 H13/11/22日に多摩老人医療センターで採血し,その結果は2週間後の12/6に知らされた。なんと,PSAの値が測定可能値0.2より以下であるという。9/14の0.7の値から約5週間後に0.2以下になったわけで,6/28最初の採血によるPSA値72のときからみると,約5ヶ月の間に300分の1以下になったということである。 高木先生の話によると,最初PASの測定値が72だったということは普通ではステージCと考えられるが,PSAの下がり具合からみると,最初の病状はステージがB2とCとの境界程度ではなかったかと思うと説明があった。診断というのは,CTやMRIだけではあまり正確には決められず,その後の病状の変化も考慮する必要があるということも分かった。前立腺がんは現在,完全な休眠状態にあり,がんとして活動を全く停止しているということである。現在では,骨盤内部の鈍痛はほとんど無くなった。しかし,一日の排尿の回数は従来と同じ約11〜12回で,トイレに行きたくなると3分以内で我慢できなくなり失禁が起こることに変わりはない。 MRIの最初の撮影(2001/09/12) 9月12日, 多摩老人医療センターにてPhased Alley Coilを使用したMRI写真の撮影。必要時間は30分以内であった。骨盤の上に布に包んだ数十cm程度のこのCoilを載せて普通に撮影するだけである。数年前は撮影中に工事現場の杭打ちのようなものすごい騒音が耳に直接入ったものであるが,最近はヘッドホーンのような騒音緩衝器をつけてくれるので音の大きさは従来の半分程度でそれほど苦にならなかった。 9月18日,多摩老人医療センターの高木先生から,MRIの撮影結果をもとに病状の説明があった。CTの写真では精嚢から膀胱へ癌が広がっている可能性が高かったのであるが,MRIの写真では精嚢にも膀胱にも転移は見られないという。CTの写真だけでは詳しくは分からないこともあり,MRIのほうが正確に診断できると説明された。前出の折井博士の説明と同じであった。 CT写真1から判断して,折井博士は精嚢に浸潤の疑いがあるがMRI撮影をしないと断定はできないという診断,昭和病院の加藤先生と多摩老人医療センターの高木先生は前記CT写真1からみるかぎり精嚢に転移(ステージCに含まれる内容)があると診断されたのであるが,治療を始めてからわずか一ヶ月後に,直腸指針も異常なく,MRI写真によると,現状では転移なしということになった。公立昭和病院では必要なしとされたMRI撮影がたとえ一ヶ月後であっても必要であったことが証明された。 高木先生によると,9月6日の採血によるPSAの値は6.7であり,8月3日より約一ヶ月飲んでいた抗男性ホルモン剤のカソディックスが効いているのではないかという説明であった。この日にMRIの写真のコピーをお願いしてきた。 今までは報告を省略してきたが,8月3日から9月12日までの約5週間の間,いわゆる民間療法による「気休め」と「駄目もと」を試みた。 その1 気功士による治療(今までに9回) この治療は本人の免疫力を高めるのを手助けするという のである。私は,測定結果の出ない治療はあまり信じないの で,「気休め」の気持ちで治療した。医者の治療は継続させた ままでの療法である。一回約1.5〜2時間で2万円。 その2 自分自身による療法 毎日2回の腰湯(10-20分)につかる。 就寝時に頭寒足熱の実践をする。就寝のときはゆるい靴下を 履き足を暖め,タオルで巻いたアイスノンを枕に使い頭をわずか に冷やす。 これらの療法は気功士からの指示で行った。病人の免疫力は 自分で高めなければ何にもならず,週一回程度の気功士による 治療だけでは不十分だという。 また,治療にこられなくても,この療法は続けなさいといわれた。 特に腰湯の効果は大きく,毎晩痛んでいた骨盤内部の鈍痛 がほとんど感じない程度に直ってきた。 その3 アガリクスや舞茸の粉末の常用 週刊誌や単行本などで癌に効くというのでアガリクスや 舞茸の効用が説明されている。本当に治療効果があるの かどうかは試してみないと分からない。駄目でもともととい う気持ちで飲んでみた。とくに,アガリクスは大して効能が変 わらない製品を一か月30回分で5〜6何万円もの超高価 で売っている商品もある。 私が現在飲んでいのは,ファンケル社の製品の水溶性 アガリクス・ブラゼイで約90日分で税込み10133円である。また, 友人から舞茸の粉末(販売元は群馬まいたけセンター)をいただ いた。これは生舞茸の約10倍のβグルカンを含んでいて100g に21000mgが含まれているという。30g入りで定価1800円で ある。これも,これから飲んでみようと思う。 これらの薬は我が家では「駄目もと」と呼んでいる。 {参考 2006年の2月にアガリクスの動物実験で発ガンを促す作用があることが発表された。06/02/14朝日新聞・朝刊} 私が行なっている「気休め」「駄目もと」療法は,現代医学による医者の治療を邪魔しない。また,免疫効果が増大するような気がする。 気功士による治療は10回で中止した。 10月16日 多摩老人医療センターで診察。今後の治療を多摩老人医療センターで続ける昭和病院からの紹介状を渡す。今後の治療方針は,10月26までカソディックスを飲み続け,その後決めることになる。 MRIの写真 MRIの写真はCTの場合と違って,横断面のほかに縦断面の写真も見られるので,各種器官への転移の様子もCTよりは精細に診断できる。 MRIやCT写真の特徴(左右,精確性) 撮影のための空洞内には,仰向けに寝て頭から入っていく。このとき,撮影された断層写真は,人間の身体を足の裏からみた断面を示しているため,写真の右側が人間の左側になる。また,断層写真は5mm間隔で撮影されるため,隣り合う断層の間にちょうど入ってしまう病巣は撮影されない。5mm以下の病巣は写らないといわれるのはこのためである。例えば,直径4mmのがん組織がちょうど隣り合う断層の中に入っている時には撮影されない。横断面の場合に,直径4mmで厚さ10mmのがん組織がちょうど隣り合う断層の中に入っていても撮影されないことになる。しかし,このような場合には,縦断面の断層写真ならば撮影が可能になる。とはいっても,実際には下記写真のような切断面をもとに撮影されるのだから,人の体の前後(腹から背中に伸びた)に伸びたがんならば断面が撮影される可能性はあるが,左右に伸びた細いがん,つまり,下の写真の横線の間に隠れたがんは撮影されない可能性もある(下の写真の切断面参照)。 縦断面および横断面の切断面の説明写真 縦断面の写真番号(7〜23)を示す写真
image NO.14の精嚢付近の転移のないことを示すMRIの写真(←クリック)
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1.前立腺がんの発見までの経過・男性性器の説明図
2.前立腺がんのステージの告知・骨シンチグラフィやCTの写真
4.重粒子医科学センターでの治療とは?
5.重粒子医科学センター病院での治療準備
6.重粒子線治療の体験報告
7.重粒子線治療終了後の経過